社説:定期チャーター便 受け入れ態勢拡充急げ

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 秋田空港と台湾北部の桃園国際空港(桃園市)を結ぶ定期チャーター便が来年4月から1年間にわたり運航されることになった。台湾の遠東航空が149人乗りの中型機材を使い毎週火、土曜日に往復する。年間の運航は208便に上る見通しだ。台湾との間に通年で定期チャーター便が運航するのは初めて。

 定期チャーター便は各週の特定の曜日などに運航される。遠東航空は今年9月下旬~11月下旬の2カ月間、既に毎週水、土曜日に定期チャーター便を運航しており、来年2月も運航する予定がある。県のまとめによると、期間中の搭乗率は約84%と好調だった。本県を訪れた台湾人のツアー客は前半の1カ月間で1300人を超えた。こうした実績に加え、県からの増便要請も踏まえ、遠東航空側が通年運航を決断した形だ。

 秋田空港には現在、遠東航空を含む台湾の航空3社がチャーター便を飛ばしている。本年度の合計便数は104便となる見込みだ。ただし運航期間はそれぞれ花見や紅葉を楽しめる春と秋に加え、小正月行事が行われる冬の一時期に集中している。通年運航により、夏場を含めて切れ目なく台湾から誘客することが可能になる。これを本県の交流人口拡大の好機と捉え、官民を挙げて受け入れ態勢の拡充を急ぐべきだ。

 県によると、利用者は原則、台湾の旅行会社が実施するツアー参加者。3泊4日か4泊5日で東北を巡る旅程とみられる。本県に確実に経済効果をもたらすためにはツアー客に一日でも多く県内宿泊してもらうことが不可欠。桜や紅葉はもちろん、新緑や樹氷などの観光資源に加え、秋田犬との触れ合いや里山サイクリング、秋田内陸線の乗車体験など通年を意識した多様な観光メニューを充実させ、台湾人客を引きつけたい。

 県は将来的に定期便化の実現も目指している。定期チャーター便は旅行会社のツアーの一環で運航されるのに対し、定期便はツアーの有無に関係なく運航する。このため本県と台湾双方のビジネス客や個人の旅行客を含め、幅広い利用が可能になるという。

 ただし、定期便化する場合は台湾人の利用だけでなく、本県側にどれだけ需要があるかも問われる。遠東航空は9月以降の定期チャーター便で各便20席ほどを台湾行きの日本人旅行客向けに配分しており、県によると常時10~20人程度が利用している。遠東航空が需要を探っているとみられ、来年4月以降も一定数が配分される可能性がある。県は需要開拓に真剣に取り組み、運航期間中に一定の実績を示すことが必要だ。

 台湾人と県民双方の利用促進などについて、県は来年度当初予算案で具体的な対策を打ち出す方針だ。定期便化の実現に向け、本県の台湾へのPR強化を含めた積極的な取り組みが求められる。

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