社説:県政この1年 人口減対策に力尽くせ

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 昨年4月に100万人を割り込んだ県人口は減り続け、今年11月には97万人台に突入した。今年3月に99万人を切っており、8カ月で1万人減少した。これは統計のある1981年以降で最速だという。

 人口減のスピードをどう抑え、活力のある社会をいかに持続していくか。待ったなしの課題である。県は本年度、新たな県政運営指針「第3期ふるさと秋田元気創造プラン」(2021年度まで)をスタートさせた。人口減対策を前面に打ち出し、ふるさと定着回帰、産業振興、攻めの農林水産業など6分野を重点戦略と位置付けた。その主な施策に雇用の場づくり、健康寿命延伸などを挙げている。

 県は本年度一般会計当初予算に元気創造プランの関連施策として2624億円を計上し、本気度を感じさせた。実際に、本県出身の大学生、専門学校生らの県内就職促進や県外からの移住推進など、各種取り組みが目に見えて活発化していることは評価したい。

 ただ、これらの取り組みの成果がすぐに形に表れるわけではないだろう。でき得る手だてに積極的に挑み、それを持続して積み上げていくことが何より重要といえる。各施策の成果や課題をつぶさに検証し、より良い事業内容に改善することも欠かせない。

 県人口に占める65歳以上の割合を示す高齢化率は7月1日時点で36・3%で、過去最高を更新した。75歳以上は19・6%。そうした中、県が力を入れているのが、介護を受けたり寝たきりになったりせずに日常生活を送ることができる「健康寿命日本一」を目指す取り組み。本県の16年の健康寿命は都道府県別で男性が最下位、女性33位。介護・医療費を抑える意味からも健康寿命延伸は急務だ。

 県の「第2期健康秋田21計画」(13~22年度)で達成を掲げた110項目の目標のうち、65歳以上の1日平均歩数など48項目が計画策定時より「悪化」している中間評価が先頃出た。県民の野菜摂取量や歩数は全国平均を下回る一方、食塩摂取量や喫煙者の割合は高いまま。県民に長年の生活習慣を改めさせることがいかに難しいかを浮き彫りにした形だ。生活習慣の見直しの必要性を県民一人一人に理解してもらうことが不可欠であり、地域や企業と一体となった県民運動に発展させることが求められる。

 今年は、政府が迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」(地上イージス)を秋田市の陸上自衛隊新屋演習場に配備する計画が判明し、大きな県政課題に浮上した。現在、防衛省が現地で適地調査を行っており、「23年度運用」へ計画が着々と進む。どう対応するのか。残された時間は決して多くない。佐竹敬久知事や県議会が、配備の賛否について明確にしなかったのは無責任といえないか。多くの県民を落胆させた。