社説:インフル集団感染 一人一人の予防が大切

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 県内はインフルエンザの流行期に入り、集団感染で死者が出る例が相次いでいる。例年1~3月に流行のピークを迎える。特に高齢者施設や医療機関などは予防に一層力を入れたい。

 今年に入り集団感染が明らかになったのは、大仙市の社会福祉法人が運営する特別養護老人ホーム。入所者とデイサービスの利用者、施設職員の計26人がインフルエンザに感染し、このうち入所者の97歳女性が死亡した。先月27日に職員が発熱してインフルエンザと診断され、翌日から発症者が増えた。女性は30日に感染が確認され、いったん熱が下がったものの、その後肺炎にかかった。

 羽後町の病院では先月中旬から下旬にかけ、入院患者と職員の計40人がインフルエンザに集団感染した。こちらも職員がかかってから感染が拡大。患者の82歳女性と88歳男性が死亡した。いずれも持病で末期状態にあったという。

 インフルエンザの潜伏期間はおおむね1~3日とされる。施設内の誰かが感染したと分かった時点で、既に感染が広がっている可能性が高い。大仙市の施設も羽後町の病院も、集団感染を受けてただちに外部からの面会を禁止するなどの措置を取ったが、予防対策は十分だったのか、対応に遅れた面はないのかなどを検証し、今後の感染防止につなげなければならない。

 県は県内54医療機関のインフルエンザ患者数が平均で週に1人を超えた時点を流行期の始まりとしている。今季は先月上旬に流行期に入り、17~23日の週が3・74人と前週比で77%増加した。例年はピーク時になると20人を超え、多い年では40人を上回る。

 抵抗力の弱い高齢者や乳幼児は、いったん感染すれば重症化することが危惧される。感染の広がりを最小限にとどめることが求められる。医療機関や施設の職員がインフルエンザにかからないよう、罹患(りかん)しても他の人にうつさないよう細心の注意を払う必要がある。

 もちろんそれだけでは足りない。県内では来週から小中学校が授業を再開する。家庭や学校、職場などで、一人一人が基本的な対策を徹底することが重要である。

 第一は手洗いの励行だ。インフルエンザウイルスが付着した手を洗わないまま、口に触れたりすることで感染が広がっていく。帰宅時などに手のひらや指の間などを丁寧に洗うようにしたい。第二は他の人への感染を防ぐ「せきエチケット」だ。せきやくしゃみの症状がある場合はマスクを着用するなど周囲に配慮したい。

 ワクチンを接種したとしても、感染を防ぎ切れるものではない。接種したことで安心せず、この2点をしっかり行うことが求められる。バランスの取れた食事と十分な睡眠を心掛け、体調管理に気を配ることも大切な予防策だ。