社説:高校スポーツ 目覚ましい県勢の活躍

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 サッカーの全国高校選手権で秋田商が県勢として14大会ぶりに初戦を突破し、32大会ぶりにベスト8進出を果たした。バレーボールの全日本高校選手権大会(春高バレー)でも、男子の雄物川が5年ぶりのベスト8。新年早々、高校スポーツでの県勢の活躍には目覚ましいものがある。

 秋田商は1回戦で三重、2回戦で富山の強豪を撃破。3回戦では龍谷(佐賀)に1点をリードされながら試合終了間際に追い付き、PK戦を勝ち抜いた。公立校で唯一、8強入りしたのは見事だ。準々決勝でも、昨年の準優勝校で今大会も優勝候補に挙がる流通経大柏(千葉)を苦しめた。

 チーム一丸となり、体を張って相手のシュートを防ぐ堅い守り。一瞬の隙を突き、少ないチャンスを生かす決定力。懸命にピッチを走り回る選手たちの姿は、闘志あふれる伝統の秋商サッカーが健在であることを全国に強く印象付けた。

 雄物川は4年連続で初戦敗退が続いていたが、今年は初戦の2回戦を突破して勢いがつき、続く3回戦は快勝を収めた。準々決勝では、全国高校総体(インターハイ)優勝の市尼崎(兵庫)に果敢に挑んだ。0―2で敗退したものの、力強いスパイクとサーブは目を見張るものがあった。速攻もよく決まり、相手を慌てさせる場面もあった。雄物川の存在感をあらためて示した。

 全国大会での高校生の活躍は県民を元気づけた。昨年夏の全国高校野球選手権で準優勝した金足農と同様に、JR秋田駅の中央改札口前には秋田商への応援コメント用のホワイトボードが設けられ、多くの人が激励や祝意のメッセージを寄せた。スポーツは地域に活気をもたらしてくれる。その力の大きさを再認識した。

 高校スポーツは全国的に私立の活躍が目立つ。他県からの有力選手で固めたり、能力の高い外国人留学生を勧誘したりするチームも多い。全てが勝利至上主義とは言い切れないが、その傾向は顕著だ。だからこそ、地元の選手中心のチームで全力プレーを展開した昨年の金足農のほか、今年の秋田商、雄物川の躍進は感動を呼ぶ。

 秋田商の小林克監督は大会での戦いぶりを振り返り、「4試合も経験できたのは幸せ。選手はよくやった」とねぎらった。雄物川の宇佐美大輔監督は「プライドを持ってこれからの人生を歩んでほしい」と健闘した3年生に語り掛けた。その言葉から、いずれも選手の成長を願い、深い愛情を持って指導していることが伝わってきた。今後とも一体感あるチームづくりに努めてほしい。

 これからスキーをはじめとする冬季スポーツの大会が本格化する。春には各競技の全国高校選抜が開催される。一層の飛躍を目指し、正々堂々と戦う若い力に期待したい。