ヒエキガミが来た道①真澄が描いた人形道祖神

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真澄が描いた小雪沢のヒエキガミ(「おがらの滝」より 秋田県立博物館所蔵)
真澄が描いた小雪沢のヒエキガミ(「おがらの滝」より 秋田県立博物館所蔵)

小松和彦コラム 新あきたよもやま(17)

 現在でも秋田県内に100体以上祭られている人形道祖神。その起源についてはほぼ不明と言ってよい。江戸時代に飢饉が起きたり疫病がはやったりした際に作られたのを始まりとする伝承はいくつかあるが、明確にそれを記録した資料は見当たらないのだ。

 秋田の人形道祖神について詳細に記録した最初の人物は江戸後期の紀行家・菅江真澄(1754~1829年)である。真澄は旅先の村々にワラや木で作られた人形が立っていることに注目し、仙北、平鹿では蒭霊(クサヒトガタ)、草二王(クサニオウ)、大館では避疫神(ヒエキガミ)と呼んで絵と文に残した。