社説:新スタジアム構想 適地か否か十分検証を

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 サッカーJ3ブラウブリッツ秋田(BB秋田)の本拠地となる新スタジアムの整備構想策定協議会が最終報告書案をまとめた。候補地に挙げられた秋田市の八橋運動公園、秋田プライウッド本社(川尻町大川反)、秋田大(手形学園町)の3カ所を調査したが、1カ所に絞ることはできなかった。

 新スタジアムの整備構想策定協議会は、県や秋田市、商工会議所、県体協、BB秋田社などでつくる専門委員会を昨年から8回にわたって開き、各候補地について集客力や建設費、ランニングコストなど多くの点から検討を重ねた。八橋運動公園を適地と推す声が最も多かったものの、管理する秋田市の賛同が得られず決まらなかった経緯がある。今後は県と市が中心となって選定を進める。協議会の場で出されたさまざまな意見を踏まえ、責任を持って結論を導き出してほしい。

 八橋運動公園に新スタジアムを建設する場合、市民の利用が多い第2球技場と健康広場が使用できなくなる。これが秋田市が難色を示している理由だ。一方、秋田プライウッド本社は、津波や洪水の浸水区域になっているほか、周辺への交通渋滞の懸念がある。秋田大は敷地が狭いため、新スタジアムに求められる規模の施設建設は難しく、隣接する住宅地への日照や騒音の影響も問題視される。それらの課題をしっかり検証することが求められる。

 佐竹敬久知事は3カ所以外にも適地があれば検討する可能性を示唆している。イオンタウン(千葉市)が秋田市外旭川地区への出店を計画していることを受け、16人の市議会議員が穂積志市長に同社との協議を求める提言書を提出する際、近隣への新スタジアム整備の検討も要請した。こうした動きも注目される。

 スポーツ振興による地域活性化に期待する市民は多く、スタジアム整備を望む署名には約18万筆が集まった。だが人口減少が進み、財政が厳しさを増す中、建設費100億円程度と見積もられているスタジアムを新たに造るのは現実的ではないと反対する意見もいまだ根強いのが現状だ。

 賛否両論ある中、BB秋田にとって重要なのは、J3で優勝争いを展開し、いつでもJ2に昇格できるような状況をつくり上げることである。BB秋田は昨年9月、発足9年目で初めてJ2クラブライセンスを取得。J3で2位以内に入れば昇格できる環境が整ったが、昨シーズンは8位に終わった。この悔しさをばねにチーム一丸のプレーで勝ち星を重ね、機運を高めたい。

 新スタジアムは、建設されればスポーツによる地域振興を目指す秋田を象徴する施設となるだろう。適地選定に当たっては財源も含めて十分に検討し、県民が納得できる答えを出してもらいたい。