北斗星(2月14日付)

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 苦しい境遇に置かれた時、人の温かさがどんなに心の支えになることか。東京で訪問介護の会社を営む弓田真江(さなえ)さん(59)はそんな体験をした

▼1991年、5歳だったわが子が重症再生不良性貧血を発病、余命半年と宣告された時である。本荘高校時代の同級生らが救う会を立ち上げた。大きな反響を呼び、県内で骨髄バンクのドナー登録推進の動きが一気に広がった

▼残念ながら子どもは帰らぬ人となったがその後、弓田さんはボランティア団体をつくり、重い病気や障害のある子どもとその家族を対象にした宿泊キャンプを始めた。障害児の親やきょうだいに接し「頑張らなくていい場所をつくりたかった」と言う。活動して約20年。ことしは三重県での開催を計画している

▼競泳女子のエース池江璃花子選手が白血病と診断されたことを公表した。2020年の東京五輪金メダルを目指し全力で走ってきた。「未(いま)だに信じられず、混乱している」。コメントは18歳の偽らざる気持ちだろう

▼病が公表された日、列島に衝撃が走った。病気の克服を誰もが願ったに違いない。白血病の治療法として骨髄移植が広く知られるが、日本骨髄バンクへのドナー登録に関する問い合わせが相次いでいるのも、そんな思いの表れだ

▼白血病は治療法の大きな進歩に伴い、患者の多くが回復するようになっている。競技のことは一時忘れて治療に専念することが第一だ。みんなが応援している。「池江スマイル」の復活を待ちたい。