阿部雅龍の南極冒険記(2)「無補給」断念、悔しい

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白一色の世界をひとりソリを引いて歩く(2018年12月2日撮影)
白一色の世界をひとりソリを引いて歩く(2018年12月2日撮影)

 例年にないドカ雪により歩行スピードは上がらない。南極で膝まで積もった雪の中をラッセルするなんて想像もしなかった。雪に埋まったソリは重く、ハーネスが肩と腰にきつく食い込む。重労働に気が狂いそうになる。「自分は弱いんじゃないか」と不安になる。ベースキャンプから「他の冒険家たちも雪に参っているみたいだ」と情報が入り、少しだけほっとする。

 進捗(しんちょく)状況は計画から随分遅れた。最大の問題は食料だ。僕は「単独無補給」という最も難易度が高い冒険スタイルで南極点を目指した。途中で飛行機からも冒険サポート用の倉庫からも食料の補給を受けないということだ。雪で距離を伸ばせなくても食料は減っていく。プレッシャーから不眠症になった。疲れているのに全く眠れない。