阿部雅龍の南極冒険記(3)世界の果て、再訪期す

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南極点を取り囲む国旗とアムンゼン・スコット基地(1月18日撮影)
南極点を取り囲む国旗とアムンゼン・スコット基地(1月18日撮影)

 ドカ雪が降らなくなってからは先を急ぎ、1日11時間半も行動した。疲労は積み重なり、朝テントから出るのがつらい。食料や燃料を消費したため、スタート時に比べソリは40キロも軽くなったのに、ずしりと重く感じる。著名な米国人冒険家エリック・ラーセンと一緒にカナダでトレーニングしたとき、彼が「南極点に近づくとソリは軽くなっているはずなのに、砂の上みたいに重いんだ」と言っていたのを思い出す。

 ソリが滑るのは摩擦で雪がわずかに溶けて、それが潤滑油の役割を果たすからだ。南極では気温が低すぎて潤滑油になるほど雪が溶けないから滑らない。つまりは南極は最後までソリが重いのだ。最後まで全力で引かなくてはならないということか。