県内大学の研究から[秋田大大学院・水戸部一孝教授]高齢者交通事故の工学的分析

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前、後ろ、右の3方向にスクリーンが設置された自転車シミュレーターを操作する学生と水戸部教授
前、後ろ、右の3方向にスクリーンが設置された自転車シミュレーターを操作する学生と水戸部教授

 学生教育、論文執筆、学会活動。社会と隔絶されたどこか閉鎖的なイメージから、大学はかつて「象牙の塔」と呼ばれた。現在は少子高齢化など難題が山積し、大学には社会貢献の役割が期待されている。全国で最も高齢化が進む本県では、課題解決を目指す各大学が専門知識を生かした研究に取り組んでいる。そんな研究の一端をのぞく。

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 前、後ろ、右の三つのスクリーンに道路や家、田んぼなどが映し出され、実際の路上にいるような感覚で自転車のペダルをこぐ―。秋田大大学院理工学研究科の水戸部一孝教授(51)の研究室が開発中の自転車シミュレーターは、高齢者の交通事故防止を目指すものだ。乗り手の頭や首、腰、両膝の5カ所にセンサーが着けられ、体各部の動きだけでなく、車との距離や動作の所要時間が数値で記録される。

 自転車の高齢者が道路を横切ったり交差点に進入したりするケースを想定し、高齢者を被験者にデータを蓄積する。後方確認の遅れや不十分さなど事故に遭いやすい人の特徴が数値で分かり、事故防止につなげられるという。

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