社説:統一地方選後半戦 身近な選挙、活発論戦を

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 統一地方選は後半戦に入った。県内では14日に大館市で市長選と市議選、秋田市で市議選が告示されたほか、きょう16日には上小阿仁村で村長選と村議選、東成瀬村で村議選が告示される。

 共通する重要課題に人口減や少子高齢化対策が挙げられる。若者たちが将来にわたって暮らしたいと思えるまちづくりをいかに進めるか。そのために、どのような具体策を打ち出すべきか。名前を連呼するだけでは何も伝わってこない。他のさまざまな地域課題を含め、候補者は一つ一つの政策や考えを有権者に分かりやすく、真摯(しんし)に訴えなければならない。

 秋田市議選は定数36に対し46人が立候補した。今回特に問われるのが、迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」(地上イージス)の配備計画への対応だ。政府は北朝鮮の脅威を理由に陸上自衛隊新屋演習場への配備の必要性を繰り返し強調しているが、住民らは演習場が住宅地や学校にあまりに近く、一帯が攻撃やテロの標的になることへの不安が拭えないことや電磁波による健康被害などを懸念して反対している。

 だが市議会では、近隣16町内会でつくる「新屋勝平地区振興会」が配備計画撤回を求めて市議会に提出した請願を巡って賛否が分かれ、先月の本会議で採決の結果、不採択になった。新屋演習場が適地かどうかを防衛省が調査しており、その結果が出ていない段階で判断できないというのが反対理由だった。

 採決に関わった現職はもちろん、新人も含め、配備計画への姿勢を明示すべきだ。賛成でも反対でも、まだ判断できないという立場であっても、なぜそう思うのかを率直に語り、有権者の判断を仰ぐ必要がある。

 有権者は一人一人の訴えに真剣に耳を傾けたい。そもそも新屋にとどまる問題ではない。大町の一部町内会が先日、配備反対を決議したのも、危機感の表れだろう。秋田の将来を左右する重大事であるとの認識を持ち、一票を投じる必要がある。

 大館市長選は現職と新人の一騎打ちとなった。秋田犬を核に誘客を図り、交流人口の拡大を図る現職に対し、新人は少子化対策などにもっと力を入れなければと主張する。この4年間の大館市をどう評価するかが問われている。定数26を29人で争う市議選と合わせ、市民の判断が注目される。

 上小阿仁村と東成瀬村はいずれも「平成の大合併」に加わらず、単独自立の道を歩んできた。だが人口は共に2千人台だ。今後さらに人口減が進む中、村をどう維持していくのか。対策は待ったなしである。

 投票率は低落傾向が続く。中でも秋田市議選は2015年の前回選挙で初めて50%を切った。住民に最も身近な選挙がこれでいいはずがない。論戦を活発化させて政治への関心を高め、投票率向上につなげたい。