春の院展・秋田展[毛ノ長イヒト]國司華子・同人

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毛ノ長イヒト(國司華子・同人)
毛ノ長イヒト(國司華子・同人)

 横たわったネコがどこかを見つめている。「生き物は目が命。目は口ほどに物を言うので、大事に描いた」と作者。狙い通り、何かを言いたげな瞳が見る者を引きつける。

 作者は19年前にネコを飼い始め、ネコをモチーフにした作品を描き始めた。以前はどのネコも同じに見えたが、次第に人と同じように個性があることが分かったという。

 今作は墨と岩絵の具を使い、柔らかく豊かな毛並みやふさふさとした尻尾を描いた。特定のモデルはおらず、想像を膨らませて個性を作り上げた。ただ、その個性を見る側に押しつけるようなことはしない。

 作者は「見る側の見方が正解。このネコはこんな性格かな、と語り合ってくれるといい」と話す。

 この作品には遊び心も取り入れ、背景に小さなネコのシルエットを忍ばせた。どこにいくつあるのかを探してみるのも楽しい。

「第74回春の院展・秋田展」の詳細はこちら

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