春の院展・秋田展[祈りの時]西岡悠妃・春季展賞〈郁夫賞〉

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祈りの時(西岡悠妃・春季展賞〈郁夫賞〉)
祈りの時(西岡悠妃・春季展賞〈郁夫賞〉)

 岩絵の具を厚く塗り重ねた黒羊と、柔らかな乳白色で描いた女性のコントラストが印象的。女性は目を閉じ、黒羊の金色の目はその姿を見つめているようだ。画面を覆うモノトーンの色彩も相まって、全体から静寂が伝わる。

 作者は「スケッチ旅行で白羊の群れの中にいる黒羊を見つけ、力強く生きる動物の威厳を感じた。その目は、私の日々の悩みや葛藤を見透かしているようだった。自分も強く生きたいと祈りながら描いた」と振り返る。

 作品に描く人物画は静寂を表現するための「記号」だとし、今回は黒羊の静かな存在感を強調するために女性を配置したという。

 東京芸大大学院を2014年に修了した新進気鋭の若手。5度目の春の院展で最高賞を獲得した。「黒羊というモチーフを得たことで、自分の秘めた思いを表現できた。受賞を機に、従来とは違うストレートな表現にも挑戦したい」と語った。

「第74回春の院展・秋田展」の詳細はこちら

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