社説:統一地方選終了 地域づくりに力尽くせ

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 統一地方選が終わった。県内では21日に大館市長選・市議選、上小阿仁村長選・村議選、秋田市議選の五つの選挙が行われた。無投票の東成瀬村議選も含め、各地域の政治を担う顔触れが決まった。

 本県は人口減少や少子高齢化が進み、いかに若者の地元定着を図るかや、増え続ける1人暮らしの高齢者をどう支えていくかなどが大きな課題となっている。今回当選を果たした首長や議員は、7日の県議選で選ばれた新県議とともに、有権者の負託に応える責務を自覚し、住民が将来にわたり安心して暮らせる地域づくりに力を尽くさなければならない。

 現職と新人が一騎打ちした大館市では、現職の福原淳嗣氏が新人の元女性誌編集長の麓幸子氏を下して再選を果たした。秋田犬による大館の魅力アピールなどに力を入れ、有効投票の6割を獲得したが、まちづくりはこれからが正念場である。気を引き締めて2期目に臨んでほしい。

 現職、元職、新人の三つどもえとなった上小阿仁村長選を制したのは、元職の中田吉穂氏だ。次点の現職小林悦次氏とは、わずか4票差の大接戦だった。激戦のしこりが残らないよう村を一つにまとめ、村政発展にまい進したい。

 秋田市議選は、前回より3減った定数36を46人で争う激戦。政府が陸上自衛隊新屋演習場に配備を計画する迎撃ミサイルシステム「イージスアショア」(地上イージス)に対する候補者の姿勢が問われた。

 秋田魁新報社が市議選前に尋ねた候補者アンケートで、地上イージスの配備に「反対」「どちらかと言えば反対」と答えたのは、当選者のうち24人と全体の3分の2を占める。市議会は改選前の定例会で、配備反対の決議を求める新屋の住民団体からの請願を不採択とした。市内では最近、新屋以外の町内会からも反対決議が相次いでおり、配備反対の声は徐々に広がってきた。新たな議員の判断が問われる。

 投票率低下に歯止めがかからない。地上イージスにどう対応するかという大きな争点があったにもかかわらず、秋田市議選は44・92%。前回より2・69ポイント下がった。初めて女性候補が出馬し一騎打ちを展開した大館市長選も、前回を8・46ポイント下回る63・83%にとどまった。

 住民に最も身近な選挙なのに、こんな低投票率でいいはずがない。首長も議員も、地元でどのような政治が行われ、何が課題になっているかを住民に積極的に伝え、議論を喚起していく必要がある。住民も自分たちの暮らしへの影響を考え、もっと政治に関心を寄せるようにしたい。

 県内で今回行われた統一地方選で女性の当選者は計13人。改選前より1人減った。女性の政治参加の機運をいかに高めていくかも重要な課題である。