干拓前の八郎潟、生き生きと 「潟語り」刊行、往時つづる

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「潟語り」に使われた児玉さんの写真の一つ。昭和30年代、雪原で漁の網を広げる女性=現在の潟上市天王塩口付近
「潟語り」に使われた児玉さんの写真の一つ。昭和30年代、雪原で漁の網を広げる女性=現在の潟上市天王塩口付近

 干拓前の八郎潟での漁の様子や、潟に面した秋田県潟上市天王地区の昔の暮らし、思い出などをつづった書籍「八郎潟 潟語り」が刊行された。天王地区にある自性院が1993年から2017年まで50回にわたり、寺の広報誌で連載してきた文とイラストを一冊に再編。主に昭和30年代に当地で撮影された貴重な写真約120枚を新たに盛り込んだ。天王地区の住民40人余りが語り部として登場し、往時の潟の情景や半農半漁の生活について述べている。

 語り部は主に大正から昭和初期生まれの地域住民たち。漁師やその妻、船大工、漁具職人、つくだ煮加工業者など多彩な顔触れが登場する。「氷下曳(ひ)き網漁」やシジミ漁といった八郎潟の特徴的な漁法や、漁具の工程と使い方、出稼ぎなど、さまざまな経験や苦労を事細かに語っている。

 明治、大正生まれの女性たちの「思い出に残る潟の味」として、ウナギのカレーライスやハゼのすしなどのエピソードを紹介。女性たちが幼少期を振り返り、「潟の水は本当にきれいで、夏は水泳をした」「遊びと家事の手伝いを兼ね、シジミを捕った」と懐かしむ場面もある。

 「八郎潟 潟語り」はモノクロ207ページ、1800円。問い合わせは自性院TEL018・878・2049

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