北斗星(5月18日付)

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 週初めは一面に水をたたえていた秋田市郊外の田んぼに、週半ばは青々とした苗が並んでいた。このところの夏を思わせるような暑さもあって田植えが一気に進んだようだ

▼天皇陛下の皇位継承に伴う重要祭祀(さいし)「大嘗祭(だいじょうさい)」で使われるコメの産地は栃木県と京都府に決まった。平成の大嘗祭では本県の「あきたこまち」が使われている。自慢の県産米を全国にアピールする絶好の機会にもなったことが思い起こされる

▼昭和の終わり、県南の稲作農家による研究会が行ったこまちの試食会に参加したことがある。異なる地域で作ったこまちを持ち寄って、複数用意した同じ炊飯器で炊いて味を比べた。違いはよく分からなかったが、独特の粘りや食味の良さは強く感じられた

▼コシヒカリに追い付き、追い越せ―。当時はそんな期待が膨らんだ。「うまいコメを出荷して消費者を驚かせてやりたい」。県内の農家が栽培技術を向上させようと努力していた時代でもある

▼こまちとともに県産米の新たなけん引役と期待される極良食味米「秋系821」の田植えが昨日、秋田市で行われた。品種の特性を最大限引き出せる栽培方法を調べる。2020年度に品種登録を申請し、22年度の市場デビューを目指す

▼コメ市場は全国の銘柄米が群雄割拠する。こまちに頼り切りだった本県では新銘柄米の開発が遅れていた。デビューに向けて、栽培技術や販売戦略などを急ぎ整えたい。新時代を開く県産米の豊かな実りが待ち遠しい。

平成の大嘗祭に新米を供出した秋田。当時の関係者の動きを探りました

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