時代を語る・尾形荘二(9)アメ横でだまされた

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上京して間もない昭和29年春
上京して間もない昭和29年春

 寮では10人が大部屋で生活していたの。前からいた人たちにはすごく親切にしてもらって、嫌がらせなんか一度も受けたことがない。ヘマしても怒鳴られたことだってない。ありがたかったよ。

 みんな岐阜出身だから、入寮して間もない俺ともう1人の同級生は秋田出身で物珍しいわけ。それで「秋田弁を聞くことなんてなかったから、秋田民謡を披露してよ」ってリクエストされたの。俺もその気になって、秋田おばこなんかを歌ってさ。そしたらみんな手拍子を取って盛り上がって、一気に打ち解けたんだ。あの“ミニステージ”のおかげで「俺も東京でやっていけるな」と安心できたの。

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