北斗星(5月23日付)

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 これは一体何。経験のない食感に、すぐに飲み込むことができなかった。近くの席の友人も同様の反応。驚きの声を上げたり、席を立ち上がったりする人も。ちょっとした騒ぎになった

▼大館市の小学校で給食に出されたジュンサイだ。もう40年以上前のこと。はっきりは覚えていない。汁物だったか、さっぱりした酢の物だったか。「私は家でよく食べる」と落ち着いて口に運ぶ女子がいて、その姿は何だか大人びて見えた

▼主に休耕田を利用した人工沼で栽培されているジュンサイは5~8月が収穫時期。葉を覆うゼラチン状のぬめりが違和感を覚えさせた原因だが、この独特の食感こそ人気のもと。三種町は地元特産の食材に子どものころから親しんでもらおうと、小中学校の給食に毎年、ジュンサイを使った料理を出している

▼しょうゆベースのジュンサイ汁が定番メニュー。豚肉や野菜の入ったどんぶり物なども人気だ。味が淡泊なだけに、他の食材と組み合わせるなど工夫を凝らす

▼今年もそんな時期が近づいてきた。来月になれば、町内の小中学校9校の給食に旬のジュンサイを使った料理が登場する予定。「じゅんさいの日」(7月1日)を含め、今回は何を作ろうかと栄養教諭が考案中だ

▼大館市で給食にジュンサイを使う例は数少ないが、こちらも特産のトンブリやエダマメを使った料理に力を入れ、子どもたちを喜ばせている。地元自慢の味は格別だ。仲間と一緒に食べることで一層おいしくなる。