北斗星(5月29日付)

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 「類似品にご注意ください」。企業の広告やホームページでそんな呼び掛けをよく目にする。食品や衣類、電化製品など人気商品が生まれると類似品が出回るのは宿命でもある。類似品が登場することは一流と認められた証左との話も聞く。開発した企業にとっては頭の痛い問題である

▼本県の特産品も例外ではない。いぶりがっこである。全国で知名度が上がるのに合わせたかのように、隣県業者らが「いぶし大根」などの商品名で類似品を次々と生産、販売するようになった

▼いぶりがっこは乾燥させた大根をじっくりといぶして引き出す独特の風味が特徴。ところが類似品には「燻液(くんえき)」という液に漬けることで、同様の味わいを出しているものまであるというから驚きである

▼食品など地域固有のブランドを守る国の「地理的表示(GI)保護制度」に今月、いぶりがっこが登録された。類似品拡大に危機感を募らせた業者らが県いぶりがっこ振興協議会をつくり申請していた。登録により、生産基準を守る会員以外はいぶりがっこの名称は使えなくなった

▼いぶりがっこの食べ方は多様化している。クリームチーズをのせるのは定番の一つとなったが、刻んでチャーハンやポテトサラダに入れて楽しむ人も増えた

▼GI登録は本県産を全国にアピールする絶好の機会でもある。登録に満足することなく、一層の品質アップを追求してほしい。「やっぱり本物は違う」。その声が生産者を後押してくれるはずである。