地方点描:防災訓練[能代支局]

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 県民防災の日を前に行われた能代市役所本庁舎での総合防災訓練は、緊張感に欠けていた。「大津波が想定されますので、安全を確認の上、来庁者を誘導し、避難してください」。庁内放送後、庁舎3階をのぞくと、避難した市職員が同僚と談笑していた。時がたてば、記憶は風化してしまうのか。36年前の日本海中部地震を間近で経験した身として、沈んだ思いでシャッターを切った。

 災害対応の拠点となる本庁舎は、市の指定避難所ではない。しかし大災害が起きれば、住民が押し寄せる可能性は容易に想像できる。訓練を知り1人で参加した来庁者の70代男性は、職員に誘導されることなく、「緩い」と言い残して帰ってしまった。締まらない雰囲気を感じ取ったのだろう。

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