北斗星(6月5日付)

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 かるたで遊んだ経験は誰にもあるだろう。種類はさまざまだが古くからあるのが「いろはかるた」だ。「いろは」47字と「京」の字の計48字で始まることわざがまとめられている。かるたを通じて先人から伝えられた生きる知恵を学べる

▼学習院大法科大学院教授の青井未帆さん(憲法学)が秋田市で講演し、同市の陸上自衛隊新屋演習場に迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」(地上イージス)を配備する国の計画を強権的だと批判した。その際、かるたに触れた上で引用したことわざが「無理が通れば道理引っ込む」

▼講演前に配備候補地を訪れ、住宅地に近いのを見て「無理がある」と思ったのだろう。国防や安全保障を持ち出されると普通の人はとても反対できない。そんな空気が生まれることを心配していた。なぜ新屋演習場なのか。「論より証拠」で国は納得いく論拠を示すべきだ

▼防衛省によると、地上イージスの運用や警備のため約250人が配置される。機関銃や装甲車を装備しテロ・破壊工作を警戒。24時間、監視カメラで周辺の情報を収集し工作員の侵入を防止する。地域の雰囲気も変わるだろう

▼国際情勢は「一寸先は闇」かもしれないが、地上イージス配備には「念には念を入れよ」。国はその必要性をいま一度、慎重に考えてほしい

▼不安を覚える住民の声に対し「馬の耳に風」ではいけない。防衛省はきょうから県、市両議会、住民への説明を始める。道理はあるのか見極めたい。