社説:横手第2工業団地 企業誘致さらに加速を

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 横手市柳田の県横手第2工業団地への企業進出が相次いでいる。今春には大手コールセンターが業務を開始したほか、自動車部品などのメーカーも目立ってきた。県や市は今後もさらに幅広い業種へのセールスに努め、地域の雇用拡大を実現してほしい。

 同団地は面積35・3ヘクタール、全9区画で1997年に分譲が始まった。岩手県金ケ崎町に93年、東北初の自動車組立工場となる関東自動車工業(現トヨタ自動車東日本)が進出したこともあり、当初は自動車関連の工場誘致を目指した。セールスポイントは秋田自動車道の横手インターチェンジ(IC)に近く、県外の自動車の生産拠点に迅速に製品を輸送できることだった。

 しかし、不景気の影響で最初の誘致が決まったのは7年後の2004年。自動車関連企業の進出は進まなかった。県はその後、区画を分割して分譲を進めたほか、各種補助金をPRしながら誘致を図った。横手市も固定資産税の免除や雪対策への補助などの優遇策を打ち出した。その結果、14年までに進出したのは計6社となった。

 動きが活発になってきたのは16年以降。自動車部品関連4社とコールセンター1社が進出した。企業は計11社となり、14年には20%に満たなかった分譲率は53%になった。コールセンターは180人を雇用し、今年4月に操業を開始。女性の能力を発揮できる職場として期待が高い。自動車関連企業の新規雇用者は数人から50人程度。県、市のトップセールスをはじめ、地道な企業誘致がようやく実を結んできたと言える。

 トヨタ自動車東日本は20年末までに静岡県の工場を閉鎖し、宮城県大衡村と金ケ崎町の二つの工場に生産機能を集約する予定だ。これに伴い、従来取引のなかった部品メーカーにも製品を納入するチャンスが出てきた。この機を逃さず、より多くの企業が積極的に自動車関連分野への参入の可能性を探ってほしい。

 団地内では、2社が金属部品の機械加工と防さび塗装という二つの工程を分担して一つの製品を生産する例もある。異なる製造工程を同じ団地内で一貫して行えればコスト削減、ひいては競争力アップにつながる。他の企業も技術協力を進めることで、自動車関連分野への参入のハードルを越えられないだろうか。

 秋田道横手IC―湯田IC間の一部7・7キロが先頃、4車線化されることが決まった。スムーズな物流のためには秋田道のさらなる4車線化が不可欠だ。県や市町村、企業が連携して国への働き掛けを強めるべきだ。

 横手第2工業団地は、企業の進出が進んだとはいっても、半分近い用地が売れ残っている。県、横手市はICへの近さという利点を生かせる業種を幅広く探り、さまざまな企業へのセールスに力を注いでほしい。