「この程度なら」が原野火災誘発 県内、違法野焼き後絶たず

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原野火災の現場付近で消火活動する消防士ら=5月4日、秋田市雄和
原野火災の現場付近で消火活動する消防士ら=5月4日、秋田市雄和

 ごみや枯れ草などを野外で燃やす違法な野焼きを原因とする原野火災が、県内で後を絶たない。「燃やせば手っ取り早い」「この程度の量なら」。そんな甘い認識でつけた火が燃え広がるケースが目立つ。野焼きは生活環境に悪影響を与えるほか、過去には死者が出たケースもあり、危険性を再認識する必要がある。

 「これはもう、自分では消せない」。5月4日午後3時半ごろ、秋田市雄和の80代男性は、自宅裏の原野に広がった火を見てぼうぜんとした。

 その少し前、伐採した木の枝や葉を燃やしたことが原因だった。近所で用事があり、現場を離れる前に火が消えたのを見届けたつもりだったが、確認が甘かった。火種が残っていたとみられ、戻った時には手を付けられないほど燃え広がっていた。原野約千平方メートルを焼き、消防による消火活動は鎮火まで3時間近くを要した。

 枝葉などのごみは日々出る。放っておけば土に返るが、時間もかかる。焼けば手っ取り早い。そんな考えから、これまで人目に付きにくい小屋の裏で月1回ほど野焼きを続けてきた。「駄目なことだとは分かっていた」。この原野火災を機に、野焼きをやめたという。

 同じような原野火災は今年、頻発している。県警によると、出火原因をつくった当事者は調べに対し「燃やすものの量が少なければいいと思った」「火事になったことがなかったから大丈夫と思った」などと説明。野焼きに対する安易な考えがうかがえる。

 野焼きは煙や臭いなどで周辺の生活環境に悪影響を及ぼす恐れがあるとして、廃棄物処理法で原則禁じられている。違反の罰則は5年以下の懲役か1千万円以下の罰金。

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