社説:レールパーク5年 県北観光の核売り込め

お気に入りに登録

 小坂町の体験型観光施設「小坂鉄道レールパーク」が2014年の開業から満5年となった。JRから譲り受けた寝台特急「あけぼの」の車両を活用した宿泊施設やディーゼル機関車の運転体験などが楽しめ、全国から鉄道ファンや観光客が訪れている。関係者の地道なPR活動などが実り、18年度は3年ぶりに入園者が増えた。体験メニューの充実を図り、県北観光の核の一つとして一層の誘客を進めることを期待したい。

 レールパークは町中心部の旧小坂鉄道小坂駅構内にある。明治期に建てられた駅舎を一部修復し、蒸気機関車や貴賓車、ラッセル車などを展示。観光トロッコやペダルをこいで線路を走るレールバイクも楽しめる。オープン当初は町の直営だったが、17年度からは第三セクター・小坂まちづくり会社が指定管理者として運営している。

 入園者数は2年目に2万人を超えたが、その後は減少傾向が続いた。それが18年度は前年度比8%増の1万6088人にまで回復した。この勢いを継続し、さらなるファン獲得につなげたい。

 町職員らが首都圏を中心に旅行会社や出版社を回りパンフレットを配るなど、地道な観光PRが実を結んだ。テレビなどのメディアで繰り返し取り上げられ、知名度が向上したことも入園者増につながったとする関係者が多い。

 一方で、施設や車両の老朽化が課題として浮上している。目玉でもあるディーゼル機関車が製造されたのは約50年前で、部品調達が難しくなっている。従来、運転体験には3両使ってきたが、故障のため現在は1両にとどまっている。2、3両を連ねた運転を楽しみにする鉄道ファンもおり、どうやって修理、維持していくかが課題。線路の枕木も更新時期を迎えている。

 レールパークのファンは全国にいる。インターネットを通じて応援してくれる人たちから資金を募る「クラウドファンディング」を活用して修理費用を賄うことを検討してはどうか。車両整備や施設運営などに協力しているボランティア団体「小坂鉄道保存会」の会員は全国に約70人いる。こうした人たちの力も積極的に活用したい。

 入園者増のためには、施設の魅力アップとともに、県北観光全体のコースに組み入れることも重要である。小坂町には十和田湖や、明治期の近代化遺産として知られる芝居小屋・康楽館、小坂鉱山事務所がある。魅力的な観光スポットを一体的に売り込みたい。

 小坂町は大館市、北秋田市、上小阿仁村と共に地域連携DMO(観光地域づくり法人)「秋田犬ツーリズム」を組織し、インバウンド(訪日外国人客)誘致にも取り組んでいる。北秋田市には外国人客に人気の高い秋田内陸線がある。レールパークもタイアップして外国人誘致を強化してほしい。