「金農魂」原点は石川理紀之助 湯沢市の郷土史家が研究

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金農魂のルーツを研究している簗瀬さん
金農魂のルーツを研究している簗瀬さん

 秋田県湯沢市の郷土史家・簗瀬均さん(60)が、昨夏の甲子園で準優勝した金足農業高校(秋田市金足)に受け継がれる「金農魂」のルーツを研究している。野球部の活躍に見られた逆境に強い精神力に特徴があるとし、原点は旧小泉村(現在の金足)生まれの農村指導者・石川理紀之助(1845~1915年)の思想だという。来月6日に秋田市で開かれる金農同窓会総会で研究内容を講演する。

 かねて郷土史研究の一環として理紀之助について調べていた簗瀬さんは、昨夏の金農野球部の活躍に感動。選手の精神力と金農創立に動いた理紀之助の生きざまが重なり、金農魂のルーツを調べ始めた。「諦めない心が共通している。私立の強豪対金農の戦いは、強者である地主に対する小作の関係に映った」と話す。3月に小学校を退職、4月から在籍する東北大大学院文学研究科後期博士課程で、理紀之助を含む先覚の生死観を研究していることもあり、調べを深めた。

 理紀之助は困窮する農村に入り込み、土壌改良や小作米の取り分の調整、倹約の実行などを指導した。抵抗されることもしばしばだったが、誰にでも公平な態度を取り、遺訓「寝て居(い)て人を起こすこと勿(なか)れ」の通り率先して行動。地主と小作双方からの信頼を得て、復興困難と思われた村々を立ち直らせた。

 より多くの農村を救うには、農業指導者の養成が必要と考え農業学校の開設に奔走した。存命中はかなわなかったが、理紀之助を慕う人々の寄付で1928年に誕生したのが、現在の金農(当時・金足農業学校)だった。

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