免許返納、決断に15年 県南94歳男性「余計な心配掛けた」

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30代後半で運転免許証を取得してから50年余り。男性の父はこの春、運転席に別れを告げた
30代後半で運転免許証を取得してから50年余り。男性の父はこの春、運転席に別れを告げた

 「人って年齢に関係なく、『自分だけは絶対大丈夫』って思うものなのかもしれない。どんなに家族が言っても、すんなり聞き入れてもらうのは本当に難しい」

 県南部に住む男性(68)は、同居する父(94)に「免許返納」を決断してもらうまでの経緯をこう振り返る。

 父は今年2月までハンドルを握っていた。だが、家族の勧めで4月に運転免許証を自主返納した。「父の運転を心配するようになったのは80代になった頃からです」。家族が不安を感じ、実際に父が免許返納を決断するまで、足かけ15年近くを要したことになる。

 「相当苦労しました。なにしろ職人かたぎなもんだから、頑固で…」と男性は言う。父は秋田杉桶樽(おけたる)の「伝統工芸士」として、83歳で引退するまで長く職人として活躍した。営業、打ち合わせ、デパートでの展示販売など県内外を問わず出張も多かった。仕事一筋の父。その姿を、男性はずっと見詰めてきた。

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