北斗星(7月12日付)

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 企業はできるだけ少ない人数でたくさんの物を作ることを四六時中考えているという。1970年代にトヨタ自動車の経営幹部を務めた大野耐一さんが自著「トヨタ生産方式」に書いている

▼その中で、大野さんは「少人化」という言葉を使う。本来は「省人化」の意味合いだ。この表記では多くの人を雇っておいて不必要になったから「省いていこう」という響きがあると嫌った

▼むしろ初めから少ない人数でやるという意味を「少人化」に込めている。多くの生産を少ない人数でこなすことでトヨタのさまざまな改善、工夫が生まれてくるのだろう

▼トヨタなどと直接取引する愛知県の自動車関連企業の横手市進出が相次いでいる。操業開始時の雇用規模はやはり少人数。1社の人数は少なくても企業が集積していけば、採用数は全体で増えるはずである

▼東海・中部の日刊経済紙「中部経済新聞」(名古屋市)は今月、1面で本県を取り上げた。リスク分散や人材確保の面で自動車関連企業が本県に目を向けているという。見出しは「中部から『秋田』に熱視線」。トヨタが岩手、宮城両県で進める拠点集約をにらみ、本県が官民で企業誘致に努めてきた成果である

▼元秋田大准教授で中部圏社会経済研究所(同市)の研究部長・島澤諭さんは「自動車産業は有力企業が動けば、それにくっついて関連企業も動く」と語る。自動車産業の立地は本県の長年の目標。製造業が元気な中部のまなざしに応えない手はない。

本県の自動車産業の可能性を探りました