社説:県の若者応援事業 アイデア最大限生かせ

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 県は本年度の目玉事業である「若者チャレンジ応援事業」の支援対象として、県内外に居住する30代男性3人の事業を選んだ。県内で起業したり、海外で本県文化を発信したりするそれぞれの取り組みを、資金面などからサポートする。

 この事業は急速に人口減少が進む中、若い世代の発想を生かして積極的に支援することで若者の県内への定着を図り、県出身者らのふるさと回帰を図るのが狙いだ。若者ならではの斬新なアイデアを生かした取り組みを支援することは、地域に新たな元気を生み出すことに結び付くだろう。大きな成果を期待したい。

 1件につき最長3年間で400万円を上限に支援するもので、県は約3150万円を本年度予算に計上した。募集は前期、後期の2回に分けて実施。前期分として4月中旬から約1カ月間募集したところ、10~30代から28件の応募があった。6月下旬に県内外の企業経営者ら5人による面接審査を行い、先進性、実現可能性、秋田らしさなどの観点から絞り込んだ。

 選ばれたのは▽イタリアで技術習得を経た上で、県産食材を使ったジェラート店を開店する▽本県伝統芸能の動きを取り入れた創作ダンスを披露するため、欧州でツアーを実施する▽県内各地で子ども向けアクションショーを開催する新団体を設立する―の3件。いずれも独自の発想に基づく意欲的な内容だ。実現すれば、地域経済の活性化や文化の発信につながる可能性がある。

 大切なのは資金を提供するだけでなく、結果が出るよう継続支援していくことだ。県は事業展開に必要な支援制度などの情報を提供するだけでなく、親身になって相談に応じ、きめ細かなサポートに努めるべきだ。

 若者の果敢な試みを社会全体で応援していく機運の醸成も不可欠だろう。事業の応募者がそれぞれ構想を発表した6月の面接審査は非公開で行われたが、一般公開してもよかったのではないか。多くの若者の地域活性化や起業のアイデアが発信されれば、事業が盛り上がるだけでなく、同じように挑戦したいと思う若者の意欲を喚起するはずだ。県は既に後期分の募集を始めており、10月中旬に面接審査が予定されている。今度はもっとオープンに行ってほしい。

 選ばれた取り組みに関する情報発信も工夫したい。県は箇条書きでホームページで紹介するにとどめているが、多額の税金を投じる目玉事業でもあり、それぞれの内容を、起業に懸ける思いなども含めて積極的に発信することが求められる。

 今回は男性3人が選ばれたが、アイデアを秘めた若者は女性を含め、もっとたくさんいるだろう。その中から可能性があるプランを引き出したい。県は一層の事業周知を図り、ユニークな人材を掘り起こしてもらいたい。