時代を語る・佐藤明(5)中3で大人と生演奏

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大館市粕田の県道沿いに立つ地域のシンボル的な杉(手前)とケヤキ(奥)の大木
大館市粕田の県道沿いに立つ地域のシンボル的な杉(手前)とケヤキ(奥)の大木

 矢立中学校(現北陽中学校)に通っていた頃、近所に地域の若者たちがよく集まる家がありました。青年団みたいなもので、みんなで音楽を聴いていることもありました。

 俺がそこに顔を出して、棒っ切れか何かでリズムに合わせてドラムみたいにたたいていたら、「おまえ、うまいじゃないか」と言われたんです。どうも、バンドを組もうという話になっていたようでした。

 やがて鉱山関係の仕事をしていた先輩の一人が、ドラムのフルセットを購入、みんなの集まる家に置いていきました。その先輩は音楽をやる人ではなかったんですが、バンド結成を応援したかったようです。それにしても地域の仲間のために立派なドラムをポンと買ってくれる。給料も良かったんだろうけど、今じゃ考えにくいよね。

 演奏してみろと言われて真新しいドラムをたたいてみると、ほとんど一発でレコード通りたたくことができました。それまで習ったことも練習したこともなかったんですけどね。

 曲を聴くと、「これはバスドラム、これは右手でこれは左手」という具合に自然に分かるんです。小さい頃から聴いていたからでしょうか。昔のレコードジャケットって、メンバーがそれぞれ楽器を持って写っているのが多かったから、ドラムセットの構成や配置も自然に頭に入っていたんだね。

 バンドの他のメンバーは20~30代で、ドラムを買ってもらった以上、活動を始めないわけにはいきませんでした。デビューしたのは、大館市役所の労働組合が開催した盛大なダンスパーティー。大人たちのパーティーで生演奏をする大人たちのバンドに中3の俺が加わってドラムをたたきました。

 曲はベンチャーズか何か。練習はしたことはありません。メロディーとかコードを担当する人と違ってね、ドラムはちゃんとリズムを保ってたたけば曲を壊すことはありませんから。

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