社説:子どもとネット 適切な使い方広めよう

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 スマートフォンの急速な普及などにより、インターネット利用が就学前の子どもにまで広がっている。子どもがネットを利用し過ぎると視力の低下やネット依存などが進み、心身の健全な発達が損なわれる恐れがある。深刻な問題を引き起こさないよう、保護者に適切な利用の在り方について理解を深めてもらう必要がある。

 内閣府が2018年度に行った調査によると、10歳未満でネットを利用している子どもは6割近くに上り、前年度の4割から急増した。就学前の子どもにも浸透していることがうかがえる。使用機器はスマホが6割と最も多く、タブレット、携帯ゲーム機が続く。利用する子どもの8割余りが動画を視聴し、6割がゲームで遊んでいた。

 就学前の子どものネット利用は県内でも急速に広がっている。保護者の中には、ネットに夢中になる子どもにどう対処したらいいか悩んでいる人もいる。このため県教育庁は本年度、保護者が気軽に相談できる人材を育成する事業に着手した。対象は能代、男鹿、にかほの3市と井川町の計4市町。取り組みを全県に広げていくことが求められる。

 能代市、井川町では幼稚園教諭や保育士らに参加してもらい、専門家による講座を開催。ネットに関する知識を深めてもらう。参加者は学んだことをそれぞれの幼稚園や保育園の現場に持ち帰り、いかにして保護者に伝えるかを考え、実践する。モデルケースとして、保護者を支援するノウハウを蓄積してほしい。

 男鹿、にかほ両市では、従来から地域で子育て講座を開くなどしている教員OBらのチームを対象に同様の事業を行い、活動に生かしてもらう。子どもをネットの弊害から守るために保護者の相談に乗り、支援する人材が身近な場所に増えることは有意義だろう。

 子どもによるネットの使い過ぎは、心身の発達や他人とのコミュニケーション能力の形成などに悪影響を及ぼすと指摘されている。保護者が気付かないうちに保護者のスマホを使い、意図せず暴力的な映像など有害情報に触れることもある。家庭内で子どもの利用法についてルールを作ることが望ましい。

 子どもがネットを利用できる時間を制限し、不適切な情報を閲覧しないようフィルタリングを導入する必要がある。寝る前の興奮を避け、十分な睡眠を確保するには、少なくとも就寝1時間前には利用を終わらせたい。保護者が動画やアプリの中身を確かめ、目の届く場所で使わせることが大切だ。

 ネットは日常生活に欠かせないものとなった。子どもを遠ざけておくことは難しいのが現実だ。だからこそ、年齢に応じた賢いネットとの付き合い方を徹底させたい。未来を担う子どもの健全な成長のために、保護者の支援体制を早急に整えたい。