下見重ねナマハゲ加筆 秋田市で展覧会、藤城清治さんに聞く

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今回の展示に合わせて加筆した「九九九階段 赤神神社五社堂」の前に立つ藤城さん=秋田市の県立美術館
今回の展示に合わせて加筆した「九九九階段 赤神神社五社堂」の前に立つ藤城さん=秋田市の県立美術館

 日本を代表する影絵作家・藤城清治さん(95)の作品を集めた「こびとと生きる喜び展」が、秋田市の県立美術館で開かれている。こびとや動物が登場する代表的な影絵やナマハゲ、秋田竿燈まつりといった秋田関連の作品など約200点が並ぶ。藤城さんに見どころを聞いた。

 ―影絵のほかデッサンや油絵も展示されていますね。

 今は影絵に力点を置いて作品を作っているが、慶応大学の学生であった時は油絵に熱中した。今回の展示は約80年の僕の画歴を回顧できるよう、学生時代に描いた油絵から今年制作した最新作の影絵まで並べている。

 ―会場に入るとすぐに高さ約8メートルの大作「九九九階段 赤神神社五社堂」が目に入りました。

 県立美術館はエントランスホールの天井が高く、らせん階段が印象的だったので、それを生かして作品を展示したいと思った。階段を中ほどまで上った時にナマハゲが目に留まるよう、下見で何度も美術館の階段を上り下りし、開幕前に描き加えた。全体の展示を考えるよりも熱中した。

 ―作品の階段と美術館の階段がリンクしていて面白い。

 元の作品は、赤神神社(男鹿市)にある999段の階段を実際に上り、2011年に制作した。鬼は一夜で千段の石段を積み上げると村人に約束したが、あと1段という時に村人が鶏の鳴きまねをして夜明けを告げたため逃げていったという。鬼は怖い一面もあるが、無邪気で憎めない存在でもある。僕はこびとと同じくらい鬼が大好き。

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