北斗星(8月4日付)

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 旧亀田街道は由利本荘市の松ケ崎から亀田を経て大仙市刈和野に至る古道だ。江戸時代には亀田藩主が参勤交代に使い、領民は亀田中心部に買い物などに行くのに利用した。道路の拡幅や付け替えが進んでほとんど跡形もないが、昔の面影を残す場所はいくつかある

▼街道の一部だった尾根・由利長根(旧雄和町~旧大内町)を歩いたことがある。廃道になって100年以上たつが、3キロほどの道の跡をはっきり確認できた。山中に人知れず古道が眠っていることに驚いた

▼大仙市大沢郷ではきょう、「亀田街道まつり」が開かれる。30年ほど続く行事だ。地区の杉林に市指定史跡の旧街道1・3キロが残る。子どもから大人まで住民が武士や旅人に扮(ふん)し練り歩き、かつてのにぎわいを再現する

▼7年前、大沢郷小学校が閉校して学校の協力が得られなくなり、継続が危ぶまれた。当時、地区の公民館長だった佐藤政紀さん(77)によると、今も続いているのは住民が「楽しみにしている子どもの夢を壊したくない」と団結したから

▼普段は人通りがない旧街道を安全に歩けるように「亀田街道を守る会」(齋藤繁吉会長)の会員が毎年、まつり前に草刈りや枯れ枝拾いをしている。元々は別の日に開いていた「雄清水(おしず)まつり」を5年前から同じ日に開催。湧水を利用しイワナのつかみ取りを行うなど、楽しみが増えた

▼派手な演出はないが、手づくり感いっぱい。大人たちの思いは子どもたちにしっかり伝わっているはずだ。