社説:本県移住増加 首都圏でのPR強化を

お気に入りに登録

 本県への移住者が年々増えている。人口減による地域の衰退が懸念される中、いかに県外の人に移り住んでもらうかは重要な課題である。移住促進策に努め、地域の活力維持につなげたい。

 県はNPO法人・秋田移住定住総合支援センター(秋田市)に登録した人のうち、本県への移住が確認された人を移住者としてカウントしている。2014年度は20人(世帯数7)にとどまったが、15年度123人(同58)、16年度293人(同137)、17年度314人(同177)と急増。18年度は459人(同217)とさらに増えた。本年度も勢いは止まらず、既に4~6月で201人(同83)の移住が確認された。

 本県は県外への転出者数が転入者数を上回る「社会減」が毎年4千人台で推移している。県は「第3期ふるさと秋田元気創造プラン」(18~21年度)で、これを半減させるとしたが、目標達成は容易でないのが現状だ。産業振興や起業支援で若者の県内定着を図って転出を抑制するとともに、ここ数年伸びている移住を促進することで転入増を図り、少しでも社会減を減らす必要がある。

 県移住・定住促進課によると、同支援センターには今年6月時点で2520世帯が登録され、このうち1635世帯が移住に前向きな意思を示している。まずはこれらの世帯に秋田の魅力を伝え、積極的に移住を働き掛けることが求められる。

 特に首都圏でのPRが重要だろう。18年度の本県への移住を見ると、都道府県別では東京、神奈川、千葉の順に多い。この3都県で全体の7割近くを占め、関東地方からの合計は8割を超えた。

 県は移住に関するフェアを開催するほか、都心に相談窓口を設けて移住希望者の相談を受け付けている。一つ一つの相談に丁寧に応じて成功例を積み重ね、さらなる移住に結び付けることが大切だ。

 首都圏から地方への移住促進に関して国は本年度、地方の中小企業に転職した人に対し、市町村を通して最大100万円を支給する「移住支援金」制度を創設した。県はこれに100万円まで上乗せし、合計最大200万円を支給する事業を始めた。首都圏からの移住希望者には、こうした優遇制度を十分周知することが欠かせない。

 働き盛りの世代にとって、仕事の確保は最大の課題だ。県はお盆休みに帰省する人や県内就職を希望する学生を対象に毎年開いている「Aターンフェア」と題した就職説明会を、今年も今月12日に秋田市で開く。さらに、本県暮らしを勧めるテレビCMを11日から県内の民放3局で流すことにしている。

 秋田は魅力にあふれている。首都圏に比べ通勤時間が短いことや、自然が豊かであること、治安が良いことなども訴え、移住を促したい。