銃後の記憶(5)農村 家守る責任、幼い肩に

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稲の状態を見る田中さん。今でも毎日、水田に足を運ぶ
稲の状態を見る田中さん。今でも毎日、水田に足を運ぶ

 米俵を載せた馬の口を取り、街中へ向かう足取りは重かった。収穫を終えた秋、田んぼ1ヘクタールの借料1年分をコメで地主に払いに行くのは、戦時中まだ10代半ばの田中金之助さん(90)=鹿角市花輪=の役目だった。

 「何とか、まけてもらえねえすか」。大きな米蔵がある地主宅の玄関で、額を地面に痛くなるほど押し付け、借料の減額をお願いした。安くしてもらえても、ほんの少し。首を横に振られるだけの年もあった。

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