北斗星(8月27日付)

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 東京・六本木で昨年7月に開かれたテレビ局主催の公開イベントで、屋外の特設舞台に上った2人は所在なさげに見えた。バドミントン女子ダブルスの永原和可那選手(23)と松本麻佑選手(24)の北都銀行ペアだ

▼イベントは中国での世界選手権に臨む選手たちを壮行する趣旨だった。舞台には男子も含め、五輪をはじめ主要国際大会で優勝経験のある強豪が並んだ。実績のある選手ほど中央に近い位置に並び、世界選手権初挑戦の2人は端の方に配置された

▼イベント終了後、室内に場所を移して報道陣の取材が設定された。有力選手が大勢に囲まれる一方、2人の元に集まった記者はごくわずか。多くの記者にとって、ほぼノーマークの存在だった

▼それが2週間後に一変した。2人は大方の予想を覆して次々と強豪を破り、初優勝。羽田空港では記者会見終了後も多くの記者に囲まれ、初々しい笑顔で喜びを語った。身長170センチの永原選手と177センチの松本選手の大型ペアは一躍、2020年東京五輪の有望株になった

▼国際大会で実績を重ねて現在は世界ランキング1位。おとといまでスイスで開かれた世界選手権では昨年に続く日本勢同士の決勝を制し、連覇を達成した。追われる立場の中、見事に勝ち切った

▼注目度が低かった1年前から急成長を遂げ、2人の名字から付いた「ナガマツ」の愛称も定着した。国内での代表争いは熾烈(しれつ)を極めるが、この難関を乗り越えてほしい。今度は五輪での活躍が見たい。