北斗星(8月29日付)

お気に入りに登録

 過去3回、20%台に低迷していた埼玉県知事選の投票率が、25日投開票の今回選挙では32・31%に上昇した。まだまだ低いが、前回を5・68ポイント上回ったのは大きな前進だ

▼有権者の関心を呼び起こそうと県選挙管理委員会が打った手は人気漫画「翔んで埼玉」の活用だった。キャラクターが「埼玉県民には…!投票に行かせておけ!!」と叫ぶポスターや「無関心はださいたま!!」と挑発する動画を作成。話題づくりにつなげた

▼漫画を愛読したことがあれば誰でも一つや二つ、気に入ったフレーズがあるだろう。横手市増田まんが美術館には数々の名ぜりふを集めたコーナーがある。先日訪れた際、懐かしい思いで見入った

▼「スラムダンク」の「あきらめたら試合終了」は、2015年にシリアで拘束されたジャーナリスト安田純平さんを支えた言葉。「北斗の拳」の「わが生涯に一片の悔いなし」は、1月の引退会見で横綱稀勢の里が自分の土俵人生を表す言葉として引用した。漫画の中の言葉に影響を受けた人は数多い

▼同館の入館者は5月のリニューアル開館以来、間もなく9万人に達する。エレベーターやトイレなど随所にファンが喜びそうな仕掛けが施され、ほぼ終日ここで過ごす家族連れも多いそうだ

▼高校時代に飽きもせず何度も読んだスラムダンクを読み返してみた。「下手糞(くそ)の上級者への道のりは己(おの)が下手さを知りて一歩目」。少年の頃出合った言葉は人生訓として記憶に刻まれ今も輝き続けている。