時代を語る・舘岡誠二(13)生涯忘れられない夜

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泊まった翌朝、記念に金子先生夫妻を撮影。緊張していたのかややピンぼけ=昭和38年
泊まった翌朝、記念に金子先生夫妻を撮影。緊張していたのかややピンぼけ=昭和38年

 昭和38(1963)年11月1日、東京・飯田橋のとんかつ店で私は金子兜太先生に、秋田にはかつて石井露月、安藤和風といった優れた俳人がいたが、今の秋田俳壇は結社の交流が乏しいなどと説明、若い作家が取るべき道を尋ねました。先生は青森俳壇の結束の良さを例示しながら、私にいろいろヒントをくださり、励ましてくれました。

 その日は、荻窪に近い杉並区沓掛町の金子先生宅に泊めてもらうことになっており、先生と村井由武(よしたけ)さんと私は、そこから電車とタクシーで移動しました。日本銀行の社宅です。先生は奥さんの皆子さんに「秋田の村井さんと、ほら、例の佐藤君」と紹介してくれました。皆子さんは女優の八千草薫に似た、清新で典型的な美人でしたね。

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