北斗星(9月8日付)

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 雄の名は「キトラ」で、雌の方は「わらび」。秋田市の大森山動物園の人気者、コツメカワウソのつがいである。毎日世話をしている飼育員によると、わらびの方が活発で、キトラは「おっとりだんな」だそうだ。愛くるしい様子を見に訪れる県外ファンも多い

▼いつもなら池の中を泳ぎ回ったり、池の上に張り渡した板の上を駆け回ったりして遊んでいる姿が見えない。池の水は抜いてある。先月中旬から展示を休んでいるという

▼つがいに初めての赤ちゃんが生まれたからだ。飼育舎の奥で一緒に育児に励んでいる。親に余計なストレスを掛けて育児放棄につながるといけないので、飼育員も近づかないようにしている

▼赤ちゃんの鳴き声は聞こえるものの、何匹生まれたのか、雄か雌かははっきりしない。間もなく生後1カ月。そろそろ赤ちゃんの目が開く頃だ

▼コツメカワウソの原産地は東南アジア。最近はペットとして高額で取引されており、絶滅の恐れがある中で密輸入が問題化している。先頃開かれたワシントン条約会議では国際取引の原則禁止が決まった。そんなニュースに接して久しぶりに元気な姿を見たくなったのだが、めでたい話を聞いて頬が緩んだ

▼育児が順調にいけば、11月中には親子の姿を見られるかもしれないという。原産地とは気候が大きく異なる土地で繁殖に成功したら朗報だ。早く赤ちゃんを見たい気持ちはやまやまだが、無事育って外に出られるようになるまで待つことにしよう。