「秋田から海づくりの輪」 天皇陛下がお言葉

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式典でお言葉を述べられる天皇陛下。右は皇后さま=8日午前、秋田市の県立武道館
式典でお言葉を述べられる天皇陛下。右は皇后さま=8日午前、秋田市の県立武道館

 第39回全国豊かな海づくり大会(県実行委員会など主催)は8日、秋田市で式典や放流行事を行い、即位後初めて来県した天皇、皇后両陛下が式典に出席された。陛下は「海や漁業への理解と関心がさらに深まり、豊かな海づくりの輪が秋田から全国へ、そして未来に向けて大きく広がっていくことを願う」とお言葉を述べた。大会には全国の漁業関係者ら約1340人が参加し、豊かな海を守り、漁業振興に取り組むことなどを誓い合った。

 県立武道館で行われた式典で陛下は、本県漁業について「ハタハタの産卵場所となる藻場を作るなど、つくり育てる漁業を奨励する一方、しょっつるなど海産物を使った食文化の伝承にも積極的に取り組み、漁村や水産業の振興に努められていると聞き、心強く思う」と語った。

 漁業振興に功績のあった団体や、作文・絵画・習字コンクールの受賞者が表彰されたほか、若手漁業者らがステージに立ち「大切な資源と漁場をしっかり守っていく」などとメッセージを発表。曲げわっぱの特製容器に入ったハタハタとサクラマスの稚魚、エゾアワビとワカメの4種類を、両陛下が県内漁業関係者に手渡すセレモニーが行われた。

(全文 774 文字 / 残り 290 文字)

天皇陛下のお言葉全文

 第39回全国豊かな海づくり大会が、日本海に面したここ秋田県で開催されることを喜ばしく思います。

 四方を海に囲まれたわが国は、古くから豊かな海の恵みを受けてきました。また、山や森から河川や湖を経て海へ至る自然環境と、そこに育まれる生命や文化は、私たちにさまざまな恩恵をもたらしてくれます。

 私自身、以前に鳥海山に登った折に、鳥海山の雪解け水がブナ林を養い育て、伏流水となって山ろくの田畑を潤し、やがて日本海に注いで良質な岩ガキを育んでいると聞き、山と海、そして人間との大切なつながりを感じたことを思い出します。

 このような豊かな海の環境を保全するとともに、水産資源を保護・管理し、海の恵みと美しさを次世代に引き継いでいくことは、私たちに課せられた大切な使命であると考えます。

 このたび、初めて全国豊かな海づくり大会に臨み、本大会が、海などの環境保全や漁業の振興、さらには海に関わる文化の継承に果たしてきた役割と意義に思いを致し、大会に携わってこられた多くの関係者の努力に深く敬意を表します。

 ここ秋田県においても、特産のハタハタの産卵場所となる藻場を作ったり、マダイやトラフグなどの稚魚を保護し育てるなどの「つくり育てる漁業」を奨励する一方、「しょっつる」など海産物を使った食文化の伝承にも積極的に取り組み、漁村や水産業の振興に努められていると聞き、心強く思います。

 本日表彰を受けられる方々をはじめ、全国各地において日頃から豊かな海づくりに尽力されている皆さんの活動が、今後も多くの人々によって支えられ、さらに発展していくことを期待します。

 「海づくり つながる未来 豊かな地域」をテーマとして行われるこの大会を契機として、海や漁業への理解と関心がさらに深まり、豊かな海づくりの輪が、ここ秋田の地から全国へ、そして未来に向けて大きく広がっていくことを願い、私のあいさつといたします。

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