ひとり考:つながりを求めて(中) 父との葛藤乗り越え

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中学時代は人付き合いに苦しみ、うつ病と闘いながら受験勉強した(イメージ写真)
中学時代は人付き合いに苦しみ、うつ病と闘いながら受験勉強した(イメージ写真)

 「父は、自分の意見を押し通す人だった。僕が関心を寄せていること、大事にしていることを否定して、ばかにして。よく、けなされた」。カズキさん=30代、県内、仮名=が語る。

 小学生の時、テレビゲームがはやっていた。友達の話に入りたくて、「僕も欲しい」と父にねだった。父は自信たっぷりに、なぜゲームが良くないかを力説し、「自分を説得してみろ」と冷たく言った。息子の言葉に耳を貸さず、最後は「説得しろ」と畳み掛ける。何に対しても、その繰り返しだった。

 中学生になると、ゲームはますます生徒の話題の中心になった。部活でもそうだった。カズキさんは輪に入っていけず、次第に苦しくなった。ゲームがないことによる仲間外れから逃れたくて、最後は部活を辞めた。

 当時、父にされて嫌だったことをノートにつづっていた。「いつか仕返しをしたい。いつか恨みを晴らしたい」と思った。

 父が嫌いだったわけではない。傷つきながらも好きだった。父に認められたい、父のようになろうと思っていた。父に対する怒りは、胸の奥底にしまい込んでいた。

 中学時代、カズキさんはうつ病と診断された。

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