ひとり考:つながりを求めて(上) 心の扉を開きに、外へ

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カーテンから注ぐ光。マユミさんにとって、最も気持ちが沈む時間帯だった
カーテンから注ぐ光。マユミさんにとって、最も気持ちが沈む時間帯だった

 他者と関わることに強い不安がある、家から出ることができない―。「引きこもり」に苦しんだ人たちの声を、3回にわたって伝えます。

 ◇  ◇

 昼になると、マユミさん(40)=県内、仮名=の心は深く沈んだ。「昼間、普通の人は働いている。会社に行って、結婚する人は結婚して、自分の世界をつくっている。でも私の世界は、今日も変わらないんだろうな」。そして思った。「私は独りぼっちだ」と。

 マユミさんは20代から30代にかけて約10年間、自宅から出ることができなかった。「朝起きて、テレビを見て、眠れない夜が来て…。何もできなくて、空白の日々だった」。最も心が沈むのが昼だった。外が明るい分、焦りと、自分を責める気持ちに押しつぶされそうだった。

 マユミさんはもともと物静かで、おしゃべりな方ではない。20代で統合失調症を発症してからは、人付き合いに対する不安が、さらに深まった。

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