ひとり考:単独登山 自由だから心地いい

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男性が登山中に撮影した北アルプスの剣岳。手前に見えるカラフルなテント群の中に、男性の1人用テントもある=2014年8月
男性が登山中に撮影した北アルプスの剣岳。手前に見えるカラフルなテント群の中に、男性の1人用テントもある=2014年8月

初の数十分は「いつ戻ろうか」と弱気なことばかり考える。「もう少し頑張れば休める場所がある」「稜線(りょうせん)に出れば、いい風が吹いている」と自分を励まし、たどり着いた景色に心を奪われる。そして気付けば、また頂を目指している自分がいる。

 秋田市の男性(63)が初めて山に登ったのは二十歳のころ。50代半ばからは、3千メートル級の山々が連なる「北アルプス」に挑んできた。登山歴は40年以上。そのほとんどが、一人きりの単独登山だ。

 「俺は人に気を使い過ぎるところがあって、誰かと一緒に登ると、周りを気にしてどっと疲れてしまうんだ」。男性は、よく山で写真を撮る。自分だけなら何も気にせず足を止めるが、仲間が一緒だとそうもいかない。「先に行ってくれとも言えず、『写真、撮りたかったなあ』と後々まで引きずる。そういうタイプです」

 一人なら、休むも自由、登るも自由。全て自分で決められる。一人で山に登る理由は、「自由だから」に尽きる。

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