「秋田馬子唄全国大会」23年で幕 運営費重く、参加者も減

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第20回秋田馬子唄全国大会で歌声を披露する出場者=2016年9月、由利本荘市の大内農村環境改善センター(同市提供)
第20回秋田馬子唄全国大会で歌声を披露する出場者=2016年9月、由利本荘市の大内農村環境改善センター(同市提供)

 秋田県由利本荘市大内地域で毎年9月に行われている民謡の「秋田馬子唄全国大会」(実行委員会主催)が、今月14日に開かれる23回目を最後に幕を閉じることになった。大会運営にかかる経済的な負担が大きく、継続が困難になったためだ。「秋田馬子唄」を含め、本県には民謡の全国大会が全国最多の13あるが、同様の悩みを抱える大会もあり、影響が懸念される。

 開催地である合併前の旧大内町は過去に「民謡日本一」を輩出するなど、民謡愛好者が多い土地柄。中でも有名なのが「秋田馬子唄」を全国に広めた立役者でプロの民謡歌手、佐々木常雄さん(83)=秋田市=だ。これを町おこしに生かそうと町や町内の各種団体が実行委員会を立ち上げ、1997年に秋田馬子唄全国大会を始めた。

 大会は徐々に知名度を上げ、2004年には県内外から最多の181人がエントリーした。一方で、大会運営費のやりくりは年を追うごとに厳しくなった。実行委によると第1回大会には町から150万円の補助金が出ていたが、市町村合併などの影響で、現在は3分の1以下の40万円に減った。

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王藤理事長、他の大会への影響懸念

 「民謡王国秋田」として名高い本県だが、経済的な負担から運営の継続に頭を悩ませる大会関係者は少なくない。県民謡協会の王藤正蔵理事長(71)=羽後町=は「大会の開催をやめようという動きが続いてしまうのではないかと心配だ」と話す。

 王藤さんによると、県内では20~30年前から民謡の全国大会が相次いで誕生した。狙いは町おこしだった。しかし市町村合併が進み、一つの自治体の中で複数の大会が併存するようになると、行政から補助金を減らされるなど運営が厳しくなった大会もある。

 「民謡は秋田が誇る大切な文化。全国最多の民謡大会はその象徴だ」と王藤さん。県民謡協会も唄や民舞などを競う「秋田民謡全国大会」を主催しており、その立場から王藤さんは、自分たち運営側の意識改革も必要と語る。

 「出場者や聴衆など大会に関わる全ての人が楽しめるように取り組む姿勢が大切。そうすることで行政やスポンサーからの理解が得られる。各大会の関係者はいま一度原点に立ち返り、『これでいいのか』と問い直すタイミングなのかもしれない」と話す。