北斗星(9月11日付)

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 JR秋田新幹線こまちで東京出張から戻る途中、車内アナウンスが流れた。大雨のため、盛岡駅止まりになるとの連絡だった。本県が記録的大雨に見舞われた昨年5月のことだ

▼代替輸送のバスはないという。盛岡から田沢湖線に乗り換えても雫石駅まで。「戻ってから仕事もあるのに」と恨めしい気持ちになったが、盛岡に1泊するしかないと判断。上司に伝えると「明日は新幹線、動けばいいですね」。あっさりそう言われ、すぐ戻らなければいけないとの意識から解放された

▼台風15号の影響で、首都圏のJR在来線などが事前に運行の取りやめを発表する「計画運休」に踏み切った。だが倒木や点検で運行再開が遅れ、駅は大混雑した。通勤客らの長い列が駅の外まで続いた所もある

▼大勢の人が「早く会社に行かなければ」との思いに駆られ、焦りやいら立ちを募らせたはずだ。そんな中、一部の企業は自宅などで仕事をする「テレワーク」を呼び掛けた。社員の安全確保が図られるほか、駅などの混雑緩和にもつながる有効な手段である

▼災害に強い交通インフラの整備は誰もが望むところだが、自然の猛威は想定をはるかに上回ることが少なくない。いざというとき職場はどう対応すべきか。考えるきっかけになったのではないか

▼テレワークのように出社せず、自宅で仕事をしたい人がいれば、有給休暇を充てて休日にしたい人もいるだろう。県内の企業も、災害に備えた勤務の在り方を考えておきたい。