高めよう防災力(5)福祉避難所 事前周知や準備重要

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東日本大震災で福祉避難所となった宮城県石巻市の中学校の体育館=2011年3月
東日本大震災で福祉避難所となった宮城県石巻市の中学校の体育館=2011年3月

 東日本大震災では、多くの高齢者や障害者、妊産婦、乳幼児などが被災した。こうした特に援護が必要な人を対象にした「福祉避難所」の事前指定は十分と言えず、受け入れ後の対応も満足できるものとは程遠かった。

 また、被災地が広域に及び、相当数の避難所が立ち上がったため、十分な専門的支援を供給できないなどの問題が発生した。こうした教訓を踏まえ、全国で福祉避難所の指定や住民への周知などが進められている。

 福祉避難所は、耐震やバリアフリー構造を備え、介助員を置くことなどが条件。老人ホームや障害者施設などが指定されていることが多い。

 また、必要に応じて開設される二次的な受け入れ先として位置付けられている。一般的にはまず、地方自治体が指定する一般避難所に避難し、そこで自治体職員などが避難者の身体状態や介護の状況などを考慮し、福祉避難所へ移る人を決める。避難スペースの確保、スタッフの配置など受け入れ態勢が整った段階で福祉避難所が開設される。

 しかしながら、現状は決してうまく機能しているとは言えない。行政も被災した中で対応に限界があり、福祉避難所として指定されている施設が入所利用者へのケアで手が回らないといった課題がある。

 福祉避難所は、一般の避難所では対応できない被災者に生活をしてもらうための大切な施設だ。しかし、その運営は一般の避難所よりも難しく、事前にどれだけの準備ができているかが重要になってくる。

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