高めよう防災力(7)子どもの防災教育 自ら判断できる力を

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 東北の三陸地方は、明治三陸地震大津波(1896年)、昭和三陸地震大津波(1933年)、チリ地震津波(60年)と、過去に3度も大津波に襲われた。災害が多い日本の中でも特に多くの経験をしてきた地域であり、さまざまな教訓が伝承されている。この地域に伝わる『命てんでんこ』は「津波が来たら、家族がてんでバラバラでもとにかく逃げろ」という教えだ。

 東日本大震災でも岩手県釜石市は大津波に襲われたが、小中学校で防災教育に取り組んできたこともあり、比較的被害を抑えることができた。「想定にとらわれるな」という教えが「釜石の奇跡」につながった。

 釜石東中学校は訓練で、先生の指示に従うだけでなく、生徒自らが臨機応変に判断し、行動できる力を育んでいた。もし、登下校時に地震が起きたら、生徒自身がどこに避難すべきか判断しなければならない。災害は時に人間の想定を大きく超えるということを意識し、被害想定にとらわれないようにしなければならない。

 しかし、自然災害の記憶は時間がたつにつれ薄れていくことは避けられず、いかに継続して防災教育に取り組んでいくかが大きな課題となっている。過去に甚大な災害を経験した地域や今後発生する可能性が高い地域などでは、積極的で先進的な取り組みが行われている。一方で、必ずしも熱心ではない地域では、防災教育に携わる人材や活用できる教材の不足といった課題が指摘されている。

 防災教育の積極的な推進には、学校や地域での人材育成が欠かせない。「防災は怖いもの、暗いもの」という認識を持つ人も少なくないが、「楽しく学べる防災教育」の在り方を示すことで、持続的な関心を持たせ、自発的な取り組みを促していくことが重要である。

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