社説:新規就農者 きめ細かな指導不可欠

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 2018年度の本県の新規就農者数は225人となり、6年連続で200人を超えた。安定して新規就農者を確保することは、本県農業の将来像を描く上でも重要である。地域が一体となってバックアップし、地域をけん引する担い手となるよう育てていきたい。

 225人は、平成元年の1989年度以降では2016年度の227人に次いで2番目に多い。年代別では10~30代が65%を占める。実家が農家で他産業からの就農者が115人、農家出身以外の新規参入者は80人、新規学卒者が30人となっている。

 就農形態で目立つのが農業法人などに就職する雇用就農者である。118人に上り、県が調査を始めた01年度以降では最多となった。農業が就職先の一つとして定着していることの証左とも言える。

 特に県や市町村の助成を受けて整備した園芸メガ団地など大規模園芸拠点を経営する法人が受け皿となっていることが大きな特徴。13地区で21人が就農した。

 県の「第3期ふるさと秋田元気創造プラン」(18~21年度)が目標としている250人に向けて順調に推移している。この流れをさらに促進したい。

 新規就農の下支えとなっているのが、就農者、雇用主への助成制度。国が12年度に導入した農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)は、自営での就農を希望する45歳未満(19年度から50歳未満)を対象に、就農前の研修期間を含めて最長7年間にわたって就農準備金や経営開始資金を支給する。県も独自の助成制度を設けている。

 農業法人の新規雇用に対しては国の「農の雇用事業」がある。50歳未満の従業員を1人雇うごとに、雇い主は最長2年間の補助金を受けることができる。

 就農後のフォローも大切である。県は地域振興局農林部の普及指導員を中心にした指導体制を築いている。新規就農者は農業に大きな可能性を求めて参入する。途中で挫折することのないように、よりきめ細かな指導に努めたい。

 一方で農業就業人口は高齢化や後継者不足を背景に減少に歯止めがかからない。農林業センサスによると、15年は5万4827人で、10年前の05年比で実に3万6千人も減っている。

 他の産業分野を含めて人手不足が顕著である。こうした中にあって、新規就農者を増やすためには、農業が魅力ある産業として成長することはもちろん、県内外にこれまで以上に情報発信していかなくてはならない。

 県はインターンシップなどを通じた農業法人と就農希望者とのマッチング事業や、複数の研修事業を展開している。首都圏で開かれる農業や移住関係のイベントなどを活用して積極的にアピールし、農業をやってみたいと思う人を一人でも多く本県に呼び込みたい。