北斗星(9月26日付)

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 県と秋田市が共同で県民会館跡地に建設している新文化施設の工事現場を通り掛かった。工事用フェンスの間から、お堀沿いにあるケヤキの並木が見える。このうち11本は1974年に市の保存樹となった。いずれも推定樹齢300年を超える大木だ

▼秋田藩の家老宅があったこの場所に植えられて以来、藩政時代の大火を免れ、明治、大正、昭和、平成そして令和と街の変遷を見守ってきた。新文化施設の建設後も残されることになった。ケヤキ並木を生かした散策路が新たに設けられる。市民、県民の憩いの場として末永く親しまれていくことだろう

▼一方、新文化施設の駐車場を整備するために伐採されたケヤキもある。秋田和洋女子高寄りなどに植えられていた9本だ。県は太さ10~40センチ、最長1・5メートルほどの木材にカットして保管しているが、文化や芸術振興のために利用する人に無償で提供することになった

▼来年夏の東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場の建設地周辺でも伐採された樹木がある。樹齢100年超のケヤキの大木はその一つ

▼「歴史あるケヤキを捨てるのはもったいない」と、京都の和太鼓教室の経営者らが譲り受け太鼓を作るそうだ。五輪のイベントで演奏し、世界に日本文化を発信しようと意気込む

▼県民会館跡地のケヤキの伐採木は県が利用者を募っている。新国立競技場のような大木ではないが、県民のアイデアでどんな文化発信ができるのか楽しみだ。