社説:大館能代空港 増便へ利用促進を図れ

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 大館能代空港(北秋田市)の利用者数が順調に伸びている。2018年度は前年比8・6%増の15万570人と過去最高を記録、搭乗率も64・2%にまで上昇した。ことし7月現在で16カ月連続で前年実績を上回っている。北東北3県のほぼ中心に位置しているという地理的な強みを生かし、さらなる利用促進を図り、目標の増便につなげたい。

 大館能代空港は1998年に開港。当初は東京便に加え、大阪便と札幌便が就航していた。しかし、利用者が低迷し、2011年までに大阪、札幌便は運休となり、現在は残念ながら東京便が午前と午後に各1往復のみの運航である。

 最近の利用者増の背景には、機材の大型化で提供座席数が増えたほか、個人旅行やビジネスの利用が堅調なことがある。加えて日本海沿岸東北自動車道(日沿道)延伸により空港利用圏域が拡大したことが大きい。

 鷹巣インターチェンジ(IC)―大館能代空港IC間が昨年3月に開通。東北自動車道から同空港まで直結したことで、利便性は大幅にアップした。青森、岩手両県からの利用者増とともに、同空港を起点に東北周遊を楽しむ観光客も着実に増えている。

 観光客が増えた理由に、県や周辺自治体、企業などで構成する同空港利用促進協議会の地道な営業活動がある。羽田空港での乗り換えのタイミングが比較的スムーズな広島県や岡山県などへのPRを集中的に行ったことが、ここに来て実を結んだと言える。

 利用促進協は本年度、同空港発着の周遊モデルコースを旅行情報・予約サイトで季節ごとに紹介する事業を始めた。冬場の安定的な搭乗率確保が課題の一つであり、温泉や秋田犬に加えて、雪景色、樹氷、スキー場などの情報を積極的に発信していくことが求められる。

 日沿道延伸を機に、利用促進協の輪も広げたい。本県以外の自治体として、青森県弘前市と深浦町、岩手県八幡平市が加入しているが、同空港の利用圏域の青森県大鰐町をはじめとする南津軽地方の自治体への加入を働き掛けることも大切である。同空港の活用に価値を見いだす自治体や企業はまだまだあるはずだ。県の枠を超え、より広いエリアで連携することは多様な観光資源をアピールすることにもつながる。

 地元住民のより一層の利用も不可欠である。利用促進協は年2回、加盟自治体の住民を対象にした観光ツアー「圏域の翼」を実施している。参加者には1人当たり1万円を助成している。住民にも定着しており、魅力的なプランを継続して打ち出してほしい。

 増便に向けては今後も利用実績を積み上げていくしかない。地域、利用促進協が一体となって知恵を絞り、増便に向けた運動を加速させたい。