社説:イージス継続審査 一体いつ判断するのか

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 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を秋田市の陸上自衛隊新屋演習場に配備する防衛省の計画を巡り、住民団体などが市議会に配備反対の決議を求めた請願、陳情計13件が9月定例会本会議で継続審査となった。4月の改選を経て開かれた6月定例会に続き、再び判断を先送りした。

 県内でこれまでに11の市町村議会が同様の請願、陳情を採択している。にもかかわらず、配備候補地のある秋田市議会が、引き続き態度をあいまいにしているのは、大いに疑問である。継続審査に賛成した会派からは「配備適地を検討する防衛省の再調査の結果を待つべきだ」との声が上がったが、配備候補地が住宅地や小中学校、高校の近くであるとの事実に変わりはない。一体いつ判断するのか。

 「穂積志市長に先んじて判断を求められるのはどうか」と継続審査の理由を述べた市議もいた。穂積市長がいつまでも賛否を明言しないのは問題だが、最も住民に身近な市議が、それを待ってから判断するという姿勢はいかがなものか。それぞれ4月の市議選などを通じ、住民の切実な声を聴いてきたはずだ。

 議会が首長の判断を追認する機関であってはならない。自ら考え、判断しなければならない。住民の負託に応え、しっかりと責任を果たすことが求められる。

 この件について、県内の市町村議会で初めて配備計画への反対意思を示したのは能代市議会だ。同市の団体が提出した反対の請願を6月定例会で採択した。

 その後、秋田市の団体が他の24市町村に反対を求める陳情を提出。このうち横手、にかほの2市、八峰、八郎潟、美郷、井川、五城目、藤里の6町、上小阿仁、大潟の2村の計10市町村議会が9月定例会で採択した。継続審査としたのは秋田市を含む6市町村議会。このほか3市議会が不採択とした。北秋田市議会は来月の本会議で採決する。残る4市町議会は12月定例会で審査するとしている。

 6月は能代市議会のみだった配備計画への反対が、9月で合わせて11市町村議会と一気に増えたのだ。不採択とした3市議会も手放しで賛成というわけではない。秋田市を適地とする防衛省の調査報告書の内容があまりにずさんだったことが国への不信、さらには反対の拡大につながったとみられる。防衛省はこのことを真摯(しんし)に受け止めなければならない。

 防衛省は再調査して理解を求めたいとしているが、新屋ありきで配備計画を進めているとの疑念は拭えない。信頼回復は容易ではないことを肝に銘じるべきだ。

 県議会にも地上イージス配備反対を求める請願が提出されており、9月議会で審査される。県民の意見にいま一度耳を傾け、毅然(きぜん)とした判断を下してもらいたい。